なぜ、人間は朝起きると夢を忘れてしまうのか？

朝起きると夢を忘れてしまうの？

朝目が覚めた瞬間、夜中に見た夢がぼんやりしていて、すぐに忘れてしまったことはありませんか？

私たちの脳は、なぜ夢を簡単に忘れてしまうのでしょうか？

夢はどこからやってくるのか？

まず、夢がどのようにして生まれるのかを知ることが大切です。

夢は、主に私たちが眠っている間の「レム睡眠」という特別な状態で発生します。

レム睡眠は、浅い眠りの段階であり、脳が活発に活動している状態です。このとき、脳は記憶や感情を整理しながら、無意識のうちに物語のような夢を作り出します。

しかし、これが朝になって忘れられてしまうのはなぜでしょう

夢を忘れる理由の一つは、脳の記憶に関わる部分が眠っている間にうまく働かないからです。

記憶を管理する「海馬（かいば）」という部分と、情報を処理する「前頭前野（ぜんとうぜんや）」が、眠っている間は通常よりも活動が低下します。このため、夢の内容を長期記憶として保存することが難しくなり、目覚めたときには夢の大部分を忘れてしまうのです。

夢を忘れやすいのは「適応」の一種？

夢を忘れてしまうことは、進化の過程で私たちが身につけた「適応」の一種かもしれません。

夢は脳が無意識のうちに整理した情報の断片であり、現実の生活とは直接関係のないことが多いです。

もし夢の内容を全部覚えてしまったら、私たちは重要な現実の情報を見逃してしまうかもしれません。

脳は、日常生活における本当に大事な情報を優先して覚えるように進化してきたのです。

夢を覚えている人もいる！

中には夢を鮮明に覚えている人もいます。

なぜでしょうか？

これは、目覚める直前にレム睡眠にあった場合や、感情的に強烈な夢を見た場合が関係しています。また、夢日記をつけるなど、意識的に夢を思い出そうとする習慣がある人は、夢を覚えている確率が高いです。

記憶を呼び戻すトレーニングが、夢の内容を保持する助けになると言われています。

どうすれば夢を覚えていられる？

夢を覚えていたいという人にとって、いくつかの方法があります。

例えば、目が覚めた瞬間にすぐ夢の内容をメモに書き留める「夢日記」をつけることが有効です。

目覚める前の数分間をリラックスして過ごし、夢の断片を思い出すようにすることも効果的です。これらの方法を続けることで、夢を覚えている時間を少しずつ延ばすことができるかもしれません。

まとめ

人間が夢を忘れてしまう理由は、脳の記憶を司る部分が眠っている間にあまり活動しないことや、進化の過程で夢を忘れることが私たちにとって有利だった可能性があります。

しかし、夢を鮮明に覚えている人もおり、習慣やタイミングによっては夢を記憶に残すこともできます。

次に目が覚めたとき、ぜひ夢の断片を思い出し、何かメモを取ってみてください。意外な発見があるかもしれませんよ！